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被災地鉄道支援写真集「ここから始まる。」送料無料

2,300円(税込2,530円)

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写真集をつくろう。
そんなことを2010年の暮れに考えていました。
テーマとしては現在の姿であること。
地域の活性化に繋がるものでありたいということ。
色々と隠れた主題はあるものの、この2つが大きな柱となっていればと考えていました。

いつだったけな。東北を回ったときに出会ったシーライナー。
このときに浮かんでいた雲が「夏休み」をダイレクトに連想してしまうものだったので
「それでいこう」なんてストーリーを考えていたわけです。
しかしながら今回の震災で、そうもいかなくなってしまいました。
じゃぁ他の地域にするか?
中断しておくか?
いくつかの方向転換も頭を過ぎったのですが
他の人に言われたわけでもなく自分で決めたことですからね。
あまり軸をずらしたくないというのが正直な気持ちで、いろいろと方向性を考えていました。

そんななか「東北へ行け」という内容の言葉やメールが多く届くようになりました。
「お前しか撮れないだろ」
「やるのが宿命ってもんだろ」
「今を撮るって普段から言ってるじゃんか」
みんな好き勝手なこと言います。

そりゃ全く考えなかったわけじゃない。
でも。
「それは報道の方にまかせておくべき。」
そう考えていたし、そう応えていました。
県内で津波災害の片づけに行くときもカメラは置いていったし
それよりも物を届けたり作業をすることのほうが自分にとっては大きなウェイトを占めていたのです。
それでも日々受けるメールや電話の中で「復興に向けた長い記録。
それを美しい写真で綴るのは誰でもできることじゃないだろう。
他の人じゃできないんだから、やるべき」
この言葉は結構ガチーンと効きました。
しかし実際に行っても撮ることはできないだろう。
とても撮影のことを考える余裕なんてなく自分の気持ちは変わっちゃいませんでした。
現地の知り合いに問い合わせをすると「まだ来ちゃだめ。」という返事。
こっちは混乱していてボランティアでも他の地域の人を受け入れられる状況でもないから。
というのが、その理由。
自衛官の友達に聞いても同じようなことを言っています。
テレビでは目を覆いたくなるような映像が繰り返し流れており同時に時間もまた流れていきました。

ようやくOKが出たのは震災から1ヵ月後のことです。
いつでも行けるようにと準備していたシャベルやハンマー、ノコやバールといった活動のための道具。
支援物資として食料や水、その他色々と積んだら助手席まで満載。
重たい装備と気持ちで東北へと向かいました。
ジャンプ台のような道路を慎重に走っていると夜が明けていきます。
その空の美しさといったら今まで見たこともないぐらいのブルー。
この向こう側には本当に津波が来たのだろうか。なんて気持ちになってしまいます。
でも現実はテレビで見るより凄まじいものでした。
手が足りていないのが分かるから自分にできる最大限のことをしました。
まだ電気も通っていないから16時には皆さん避難所に戻ってしまいます。
暗くなる前に用事を済ませてしまわなければならないのでしょう。
ひとりぼっちになり周囲を見渡してみると駅が目に入ってきました。
普段ならば地方であれ都心であれ、どこに駅があるか意識するのが常ですが
そこまでの余裕も自分にはなかったのだと思います。



特に変わったところのない普通の駅に見えました。
ところがホームに立つと脱線した列車が複線の構内を塞いでいて待合室も泥で埋まっています。
周囲には、ありとあらゆるものが溢れており
とても普段では考えられない駅の姿に、ただただ呆然とするばかり。
人の気配が消えた街だから今ならば撮れるかもしれない。
街なのに物音ひとつしない
不思議な静寂の中でシャッターの音だけが響きました。


それ以来
早朝と日没前は写真を撮り昼間は活動する毎日。
週に何日かは帰って仕事をしたりイベントに出たりしていましたが1ヶ月かけて記録を続けました。

今、手元には膨大な写真があります。
これをまとめて写真集にしようと考えました。
震災の1時間前に撮影したものから始まります。
最終的に熱い気持ちになれる物語は昨日撮ったワンカットで全て終了。
そして、この写真集の収益はすべて
ひたちなか海浜鉄道と三陸鉄道にお渡しします。
ひたちなか海浜鉄道は6月の一部開通
7月の全線開通に向けて全力で頑張っていますが
その道のりも復興後も決して安泰というわけではありません。
また三陸鉄道は北リアス線の一部。
それから南リアス線のすべて未だ復興の目処が立っていないという状況です。
本当はポケットマネーでポンと出せればいいんでしょうけど無理。
だから今回は出版社を通さず自社出版という形をとることにしました。
これならば売上のほとんどを寄付できる計算です。
会社自体は普段から広告や冊子、写真集などをデザインしているから
鉄道写真集だってできることに最近気づいたというのも不思議な話しなんですが。

amazonでも書店でも購入が可能なように書店コードも取りましたが
半分以上を持っていかれてしまうと支援のためのお金はあまり残りません。
だから主にホームページから販売したいと思っています。
これなら相当な金額を寄付することができそうです。

写真も揃った。デザインも内容も決まった。
あと残った問題は印刷、製本のお金が大きな問題になってきました。
全部で結構な額がかかります。
普段であればすぐに出せる金額でもあるのに
それまで持っていたのも貯めていたものも寄付してしまったし
最近は現地で活動ばかりしていたから今の自分には全然足りません。
なりふり構っていられる状況ではなくなってきました。
カッチョ悪いことい言います。

予約販売をしますのでどうかポチッと買ってください。
また企業の皆さま。
広告のスペースを空けてあります。
ご協力をお願いいたします。
なんとか皆さんと一緒に、ひたちなか海浜鉄道と三陸鉄道を走らせたい気持ちでいっぱいです。

今回の写真集は2011年の鉄道風景です。
被害状況の写真もあります。
でも、それだけじゃありません。
最後には熱い思いが残る。そんな写真集を目指しました。
この写真集は来年もつくります。
復興してゆく姿を撮り暫くは継続してつくってゆこうと考えています。
自分たちが生きている、この時代。
後で振り返っても決して避けることのできない2011年という年を一冊の本に込めようと思っています。
ぜひ、貴方の書棚に加えてください。

2011年5月21日ブログより
http://tetsudoshashin01.blog17.fc2.com/blog-entry-630.html




●タイトル 「ここから始まる。」
●著 者  広田泉
●ISBN-13 978-4905406006
●発 売  2011年6月
●価 格  2,530円(税込)
●A4変形 縦210mm横270mm(ソフトカバー)カラー56ページ
●制作・発売  有限会社ホームキュービック

送料:無料(クリックポストでお届けします)


収益は被災した三陸鐵道とひたちなか海浜鉄道の復興支援のために寄付いたしました。
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★今後の収益については、災害支援に使用させていただく予定です。